「ザ・ギース尾関の『娘の絵を完コピ!』おえかきキャラ弁」(尾関高文著/永岡書店)が面白い!
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お弁当箱はネバーランドへの扉
「ザ・ギース尾関の『娘の絵を完コピ!』おえかきキャラ弁」(尾関高文著/永岡書店)
「まま」と書かれた不思議な生き物、片腕が長すぎるパパ、かい(え)るの「けっろ」、ずっといてほしくなる働き者の虫歯菌、断じて柄つきのたわしではないライオン、鼻で立っている象、などなど子どもの絵の中にしか存在しないキャラクターたち。
幼稚園へ通う娘さんが描いたオリジナル・リトルクリーチャーズを、お父さんは毎朝、そのまんま、お弁当にします。
たとえ稚拙な絵であっても、意味不明でも、決して「こうしたほうがいいよ」などと、クソバイスはしません。
鼻息で飛んでしまいそうなほど、海苔を細かく切ってヒゲにするなどして、できるかぎり正確にお弁当として「完コピ!」します。
そうして娘さんは、自分が生みだした生き物たちを、おいしく食べて成長する。
なんという幸福な「承認」の連鎖でしょう。
いつか娘さんが「一般的に上手とされる絵」を描くようになった時、パパは少し、さびしく思うのかもしれませんね。
お笑いコンビ「ザ・ギース」の尾関高文による、娘が描いた絵をそっくりに完コピする〈おえかきキャラ弁〉。
アメブロ「娘とお弁当とわたし」やTwitter、Instagramでの人気投稿をもとに、書き下ろしエッセイと1コマ漫画で綴る“すべらない弁当"の傑作集。
「わたしの絵をお弁当にして! 」――それは次女の衝撃的なひと言からはじまった。
子どもの描いた発注図をもとに、海苔・チーズ・ハムなどの食材を正確にカットし、持ち前の器用さで〈おえかきキャラ弁〉を作っていく父。
SNSにアップすると「再現度が高すぎ」「愛を感じる」と話題になるも、一方の娘は毎度自由すぎる絵をくり出し、「このフクロウ変だね」「この牛、足がちょっと少なくない?」と容赦なく厳しいツッコミを入れる。
そんな笑える父娘ネタ満載、そして時にきゅんとする子育てエピソードありの一冊。
ザ・ギース尾関の「娘の絵を完コピ!」おえかきキャラ弁
尾関高文 著
1,200円+税
永岡書店
https://www.nagaokashoten.co.jp/book/9784522437032/
Webライター吉村智樹メールフォーム
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