この本、めっちゃ面白かったです!

読んで面白かった本だけを紹介します。

『しょぼい喫茶店の本』(池田達也著/百万年書房)が面白い!

新刊、旧刊、古本、ひところ話題になった本、再読、インディーズ出版、漫画、ムック、雑誌、読める物ならば手あたり次第、なんでも拝読いたします。


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「書評」ではありません。
本書の内容から逸脱し、さらには内容にまるで触れない場合すらあります
ご海容ください。

しょぼくない

 

『しょぼい喫茶店の本』(池田達也著/百万年書房)

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おもしろかった本についてしか書かないブログですが、しみじみ、いい本でした。


「しょぼい」のは、あくまで喫茶店の規模。その展開はしょぼいどころか、とってもドリーミーで、ドラマチックです。

 

冴えない男子に、さまざまなご縁がうまれ、出資者が現れ、さらに素敵な女性とめぐりあう。


その状況が逐一Twitterで配信され、衆人環視を可能とし、劇場型と呼べる展開を見せていた点は「会いに行ける電車男」という気がしました。

 

池田さんが喫茶店の経営に試行錯誤、四苦八苦、右往左往しながら、SNSがかもしだすコミュニティを愛する人と、ふらりとコーヒーを飲みに来た「独」を愛する人、そのどちらをも快適にする店内ムードへと至るくだりは、店舗経営をしていない方にさえも示唆に富む部分ではないでしょうか。

 

連帯を求める人も、孤独を愛する人も心地よく包み込める空間、それはもしかしたら、「喫茶店」という業態でなければ、ありえないかもしれない。

 

「甘くはない」と重々わかっていながら、やっぱり「喫茶店、やりたいな」と、憧れてしまう本です。

 

しょぼい喫茶店の本

就職できなくても生きる!!

東京の新井薬師に実在する「しょぼい喫茶店」(という名前の喫茶店)が出来るまで、と出来てからのエモすぎる実話。

【STORY】
就活に失敗した大学生が、人生に行き詰まる→「しょぼい喫茶店」をやりたいとブログに綴る→『しょぼい起業で生きていく』著者・えらいてんちょうに発見され、ブログがSNSで話題に→見ず知らずの人から100万円もらう→ここまでの展開に感動した女性が「手伝いたい」と鹿児島から上京→ふたりで「しょぼい喫茶店」(という名前の喫茶店)をオープン→紆余曲折ありつつ、そしてふたりは結婚。

という超絶ウソっぽいですが実話、のお話です。

著者プロフィール
池田達也 (イケダタツヤ)

1994年長野県生まれ。
上智大学文学部卒業。
在学中、アルバイトや海外留学をするもどれも中途半端に終わる。
働きたくない、働けないと思いつつも、「普通」というレールから外れまいと2017年3月に就職活動を開始。
ダメな自分を隠しながら就職活動を続けるが、結局すべての企業から不採用にされてしまう。その後、一時は部屋から起き上がれない、布団から出られないという状態になるも、友人の温かさやインターネットで見つけた多様な人生のレールに希望を見出す。
そして、えらいてんちょうの「しょぼい起業」に触発され、「しょぼい喫茶店」の開業を志し、ツイッターで開業資金の100万円を募り、即日でそれを調達。
当時激務からうつ病を患い、鹿児島の実家で療養していたおりんさんもツイッターやブログを読んで共感し、上京。
出資から約40日後の2018年3月にしょぼい喫茶店をふたりで開業。
開業までの経緯からインターネットを中心に反響を呼び、紆余曲折ありながらも経営を軌道に乗せる。
2018年11月に店員のおりんさんと結婚。
2019年1月には約半年間お店をサポートしてくれたスタッフの独立資金として、前年に出資を受けた開業資金の100万円をそのまま出資。
現在はしょぼい喫茶店を経営しつつ、しょぼい起業への投資やコンサルティングも行なっている。

池田達也(著)
価格 1,400円+税
発行:百万年書房

millionyearsbookstore.com