この本、めっちゃ面白かったです!

読んで面白かった本だけを紹介します。

「まともがゆれる 常識をやめる『スウィング』の実験」(木ノ戸昌幸著/朝日出版社)が面白い。


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読み終えたときに考えたことを書いています。
「書評」ではありません。
本書の内容から逸脱し、さらには内容にまるで触れない場合すらあります。
ご海容ください。

基本、毎回およそ400ワードです。

 

「まとも」でないのに、

「まとも」であろうとして、

疲れてしまった。

 

「まともがゆれる 常識をやめる『スウィング』の実験」(木ノ戸昌幸著/朝日出版社)

 

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僕は過去に一度たりとも、「卑下」「謙遜」「自虐」をしたことがありません。

 

そんな僕の性格は、さまざまなデータをもとに冷静に、かつ客観的に分析した結果、ひとことで言うならば「ぐず」「のろま」「めんどくさがり」です(ひとことで言えよ)。

 

「ぐず」「のろま」なんてひらがなで書くと、ほのぼのおっとりキャラのように思われるかもしれません。
しかし、これを「愚鈍」「怠惰」と言い換えると、ことの深刻さと重大さが伝わるでしょう。

 

自分の身体を想うように動かせない、コントロールできない。
全身全霊をこめて、めんどくさがるのです。
それゆえ過去に幾度も好機を逃し、信用と仕事を自力で爆破してきました。

 

3年前に、人生を変える覚悟でWebライティングの道へ足を踏み入れました。

 

「今度こそ、まともにならなければ」
「ここで芽が出なければ、もう退路はない」
「クライアントからの返事は30分以内! でなければ仕事がなくなる!」と。

 

まともでもないのに、ある意味で自分を偽り、低速スペックながらついていこうと努めました。

 

そして今年に入り、新元号となり、ふと疲れてしまったのです。
だって、まともじゃないんだもの、もともと。

できないんだから、そんなこと。

 

そのようなときに、巷の「まとも」観にゆさぶりをかける、この本と出会いました。
読んで、癒されるというより、「許される」あたたかさに包まれました。

 

「だめじゃないよ」ではなく「だめでもいいよ」。
価値は常にぶれるもの、「スウィング」するもの。
スウィングしなけりゃ意味ないねん。

 

「できない」ままで生きてもいい!
自分の欠点ではなく「世の中が押し付けてくるまともな生きかた」と戦う術。

親の年金でキャバクラに通い、そのたび落ち込んで引きこもっていた増田さん。
何をやっても自信が持てない、一応「健常」な施設スタッフ沼田君。
毎夕、意味不明なワン切りを必ずしてくるひーちゃん。
「足が腐った」とか「定期をトイレに流した」とか、まばゆいばかりの屁理屈で仕事をサボろうとするQさん……。

障害福祉NPO法人「スウィング」に集う、障害を持つ人・持たない人たちの「できないこと」にこだわらないエピソードと、心の栓を抜く、脱力しきった詩の数々。

誰かが決めた「まとも」を見つめ直し、ゆらしたりずらしたりすることで、それぞれの生きづらさを緩めるヒントとなる一冊。

木ノ戸昌幸 著
定価: 1,685円(本体1,560円+税) 

朝日出版社

 

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